ランクセスは2040年までにクライメイト・ニュートラル(気候中立)を実現したいと考えています。これを達成するため、私たちは明確な戦略を立て、主要プロジェクトを始動させました。ランクセスはこの新たな目標に向けて、これまでの実績により裏付けられた効果的な気候保護のコミットメントに基づき、戦略を推進しています。しかし、私たちだけではクライメイト・ニュートラル(気候中立)を達成することはできません。政治的な支援も必要となります。
クライメイト・ニュートラルとは?
クライメイト・ニュートラル(気候中立)は、人、企業、団体などが、日常生活や製造工程などの活動により排出する温室効果ガスを、その吸収量やその他の削減量を差し引いて総排出量を算出し、実質(ネット)ゼロにするという環境保護への取り組みです。
温室効果ガスの排出量をゼロにすることが難しい分野や活動においては、残りの排出分を代替措置やその他の活動で削減・吸収することにより相殺することで、その排出量の全てを実質(ネット)ゼロにすることを目指します。
一般的に広く知られるようになった「カーボンニュートラル」と「クライメイト・ニュートラル(気候中立)」はほぼ同義ですが、その違いは二酸化炭素などのカーボンに焦点をあてる「カーボンニュートラル」に対し、「クライメイト・ニュートラル(気候中立)」は、京都議定書で定義されている温室効果ガス(メタン、N2O(一酸化二窒素)、フロンガスなど)をすべて含んでいます。
世界中での気候対策への取り組みが本格化する中、日本でも「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことが宣言されました。
クライメイト・ニュートラル- 差し迫った課題
パリ協定では、人間や環境への悪影響を軽減するため、世界の平均気温の上昇を2℃未満に抑える目標が掲げられました。行動を起こすのが早ければ早いほど、問題解決への時間的な猶予が与えられます。そのため、ランクセスはこの気候保護の目標にいち早く取り組み、その責任を真摯に受け止めています。
そして今、次のステップへと踏み出します。ランクセスは2040年までにクライメイト・ニュートラル(気候中立)の実現を目指します。
「2040年までのクライメイト・ニュートラル(気候中立)達成を新たな目標とし、私たちはグローバルな特殊化学品メーカーとしての責任を果たして参ります。そして同時に、お客様にとってのより持続可能なパートナーを目指します」
マティアス・ツァハト
ランクセス経営委員会会長兼CEO
気候変動対策計画を支える3つの柱
ランクセスは、気候目標の達成に向けて、技術革新を原動力としています。熱酸化炉における高効率な熱回収や、従来設備をエネルギー効率に優れたモーターへ置き換えるなどの先進システムを導入することで、産業活動におけるカーボンフットプリントを大きく削減しています。
生産設備の断熱強化から、脱化石燃料型生産手法の大規模導入に至るまで、こうした技術的改善により、事業成長とエネルギー消費のデカップリング(切り離し)を実現しつつ、資源効率の向上による競争力を維持しています。
ランクセスは、エネルギー利用の中核を成す蒸気供給について、化石燃料から低排出型エネルギーへの転換を進めています。
産業用ヒートポンプ、蒸気圧縮蒸発装置、電気ボイラーなどの新技術を導入し、サプライヤーとの緊密な協働を通じて、2040年までに蒸気関連排出の完全削減を目指しています。
廃熱回収の優先活用と蒸気供給の電化により、2030年までに約8万5,000トンのCO₂排出削減を計画しており、環境面の要請と長期的なコスト競争力の両立を図っています。
ランクセスは、スコープ1・2排出量の約75%を占めるエネルギー供給の脱炭素化を進めています。
「Make-and-buy」戦略に基づき、ドイツ拠点では100%水力発電由来の電力を確保するなど、長期的なグリーン電力契約を締結するとともに、インドやブラジルで自社再生可能エネルギー設備の拡充を進めています。
2025年までに低排出電力の割合を22%に引き上げ、2040年までに購入電力の排出量を完全にゼロにすることを目標とすることで、ランクセスは、生産プロセスの電化への移行が、環境的に持続可能かつ経済的にも競争力をもつことを目指します。
気候保護活動の成功実例
N2O(亜酸化窒素)は気候に有害な温室効果ガスの1つです。2009年、私たちはドイツのケミカルパーク・クレフェルト・ユルディンゲン拠点において第2亜酸化窒素還元プラント(LARA)を稼働させ、これにより亜酸化窒素ガスを分解し完全に相殺することに成功しました。これには、1000℃以上に熱すると、酸素と窒素に分解される亜酸化窒素の性質を利用しています。
LARAは「発想の国ドイツ―365のアイデアコンテスト賞」および「ドイツ産業協会(VCI)によるノルトライン・ヴェストファーレン州レスポンシブル・ケア賞」を受賞しました。この2つのLARAは、毎年最大150万メートルトン相当のCO2排出量を削減します。
バイオマスとは、例えば再生可能な植林地から出た廃材です。再生可能で環境に配慮した原料により、この発電所はサトウキビが収穫までに吸収する程度のCO2のみを排出する、つまりはカーボン・ニュートラル(気候中立)な設備となっています。
ランクセスは、CO2集約度の低い特殊化学品を重視し、製品ポートフォリオの向上に努めています。ランクセスは近年、南アフリカのニューキャッスルおよびメレバンク拠点におけるクロム化学品事業を売却しました。その結果、2020年から年間20万トンのCO2を削減し、気候への影響緩和に成功しました。
ランクセスは事業の買収・売却など、戦略的決定においても、CO2排出量を重要な指標としています。
今、私たちに必要なのもの: 政治的サポート

緊急に必要なもの:適正価格での再生可能エネルギー
- 十分な量と競争力のある価格の再生可能エネルギー
- 各国の制度の二重負担のない、機能する欧州排出量取引制度
- 新しい排出削減プラントのためのシンプルで迅速な承認手続き
ビジネスのため、社会のために
気候対策への高い目標と厳密な計画は、ランクセスのためだけでなく、お客様にとっても、そして社会にとっても有益なものです。
- 持続可能性へのコミットメントにより、ランクセスはより望ましいサプライヤーとなります。
- 温室効果ガス削減への投資のほとんどは利益の増加に繋がります。
- ランクセスはさらに厳しくなる将来的な規制を見込み、それを満たすべく取り組んでいます。
- 私たちはパリ協定の気候保護の目標達成に貢献しています。
気候保護関連団体との緊密なネットワーク
当社は2018年からIN4climate.NRWイニシアチブの積極的なパートナーです。ノルトライン=ヴェストファーレン州の経済・イノベーション・デジタル化・エネルギー省とともに、産業界、科学界、政府当局のために、気候変動に配慮した戦略とイノベーションを開発しています。目標は、経済成長とパリ協定を両立させることです。ノルトライン=ヴェストファーレン州の温室効果ガス排出量の約19%を占める産業部門には、特別な責任があります。気候ニュートラルへの道を歩むには、個々の排出者が国境を越えて、共同で変革のプロセスを形成する必要があります。6つの著名な科学機関が参加 ヴッパータール研究所の支援のもと、科学的見地からIN4climate.NRWの活動を推進しています。



