サルティゴ、「Chemspec Europe 2025」に出展し、 高効率、高選択性、柔軟性のある触媒合成について紹介

  • 幅広い業界に対応するオーダーメイドの化学合成
  • 製品の品質、原材料、エネルギー効率の向上に不可欠な触媒反応
  • 複雑な分子合成における包括的なパートナー 
  • メタセシス:広範な応用領域を可能にする汎用性の高い反応原理

ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)の完全出資子会社で受託製造会社のサル ティゴは、ドイツのケルンで6月4日から5日に開催される国際展示会「Chemspec Europe」に出展し、活性成分およびファインケミカルの工業生産において、応用範囲を一層広げつつある触媒合成について紹介します。

触媒反応工程に注目が集まる 

「触媒反応は、穏やかな反応条件下で進行し、高い選択性を示すことが特徴です。そのため、原材料とエネルギーの効率的な利用を実現しつつ、製品の品質を維持する上で不可欠な役割を果たしています。これらの触媒反応による利点が多くのお客様から支持を受けています」と、サルティゴのプロセス開発部門のカーステン・フォン・デム・ブルッフ博士は説明しています。

この反応工程は、多くの新規プロジェクトの中核を成し、レバークーゼンおよびドルマーゲンに拠点を持つランクセスの技術的・物流的な環境の中で展開されています。グローバルな原材料調達と従業員の総合的な専門知識、特に古典的な有機化学および製品の加工、分離、精製に関する知識が、信頼性の高い納期とコスト管理を実現しています。「これにより、複雑な分子を製造する企業やそのような化合物を必要とする広範な業界に対し、オーダーメイドのソリューションを提供することが可能です」とフォン・デム・ブルッフ博士は述べています。

多機能な遷移金属触媒 – メタセシス

「触媒反応、特に遷移金属触媒が関与する反応は、現在、ランクセスの合成プロジェクトで重要な役割を果たしています。ランクセスの研究室と製造施設で実施される反応の3分の2以上が、少なくとも1つの金属触媒反応を含むようになっています」とフォン・デム・ブルッフ博士は述べています。サルティゴはこれまで数十年にわたり、このような反応の潜在的な可能性を体系的に探索し、最大12立方メートルのスケールで水素化反応、クロスカップリング反応、メタセシス反応を成功裏に実施してきました。触媒の添加用に特別に設計されたロックシステムにより、このような大規模な反応器でも高活性触媒を効率的かつ安全に使用することが可能です。
メタセシス反応は、汎用性の高い合成手法として発展してきました。その重要なマイルストーンとなったのは、メタセシスの先駆者であるイヴ・ショーヴァン、リチャード・R・シュロック、ロバート・H・グラブスに 2005 年のノーベル化学賞が授与されたことです。メタセシス反応では、例えば、末端の二重結合を持つ炭素鎖が、エチレンを分離することで新しく形成された二重結合によって連結されます。その結果、より長い直鎖分子、あるいは環状分子が生成されます。

サルティゴは、主にルテニウム、モリブデン、およびタングステンを基材とした触媒を採用しています。これは、グッブスとシュロックによって初めて使用され、その後、継続的に改良されてきました。「ルテニウム系触媒は経済的な利点があり、大気中の酸素や極性溶媒に対して比較的耐性があります。ただし、反応後に金属の痕跡を除去することは困難です」と、サルティゴの化学プロセスマネージャーであるクリストフ・ゲッツ博士は説明しています。この目的には選択的イオン交換剤が使用されます。これにより、ルテニウム触媒による二重結合の異性化を加工工程でほぼ回避できます。

一方、シュロック触媒は優れた選択性を示し、例えば熱力学的に不利なZ-オレフィンを高い選択性と良好な収率で生産することが可能です。ただし、これらの触媒は一般的に酸素と水分に非常に敏感です。製造が困難なため、グルブス型触媒よりも高価です。

最高レベルの安全性を実現する精密な反応制御

触媒変換の成功と安全性を確保する鍵は、すべての反応パラメーターの厳格な遵守にあります。これには、原料および補助材料の純度、反応条件の正確な監視と制御、および慎重な処理が含まれます。

もう一つの課題は、メタセシス反応中にエチレンや類似の短鎖アルケンが放出されることです。このアルケンの生成および反応速度を正確に制御することで、排ガスを安全に熱排ガス浄化システムに供給することが可能です。この目的のため、サルティゴは排ガスの酸素濃度をオンラインで継続的に監視するセンサーを使用しています。

メタセシス法を用いた幅広い特殊化学品の合成

メタセシス法は幅広い分野に応用できます。現在の重要な例の一つは、バイオ由来の原料を特殊化学品に変換するプロセスです。このプロセスでは、例えばブドウや果樹の害虫対策に用いられるフェロモンE7-E/Z9-12Acが生産されます。サルティゴでは、そのスケールアップに成功し、2021年だけで数十トン規模で生産されました。その他の重要なメタセシス製品には、香料と風味料が含まれます。この分野では、サルティゴはランクセスのフレーバー& フレグランスビジネスユニットと密接に協力しています。メタセシスで得られる他の基本化合物(ビルディングブロック)は、医薬品業界やポリマー・ファインケミカルズ業界で利用されています。

サルティゴが提供する総合的なサービスの詳細については、以下のウェブサイトからご確認いただけます。サルティゴ | LANXESS

 

本件に関するお問い合わせ先:

ランクセス株式会社 コーポレートコミュニケーションズ

TEL : 03-5293-8006 FAX : 03-5219-9773
lanxess.japan@lanxess.com

 

 

 

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